広告代理店を目指す就活生におすすめの本④:「論理トレーニング101題」

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1.執筆者の紹介

野矢茂樹さん(のや しげき)

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東京大学を卒業後、同大学の大学院に進学、哲学博士号をとり、同大学の教授として勤務。哲学書を中心に、論理的思考に関する本を出版しロングセラーに。

 

◆簡易年表

1980年東京大学教養学部教養学科卒業。

1985年東京大学大学院博士課程修了。

1987年北海道大学文学部助教授。

1990年東京大学教養学部助教授。

 

野矢先生は、本業である哲学の授業を担当する傍ら、多くの哲学論文を発表し、書籍も出版。

 

彼の売りは、哲学で高めた「論理構成力の強さ」と、難しい内容を噛み砕いて文章化する「分解能力の高さ」。

 

 ただでさえ専門用語が多く、一般人に分かりづらい哲学分野において、「分かりやすさ」で彼の右に出るものはいないといえます。

 

2.ざっくり言うと

(1)広告代理店に勤務するうえで、ロジカルシンキング力は欠かせない

(2)ロジカルシンキング力は、後天的に伸ばすことができる

(3)「論理トレーニング」に取り組むことで、論理的な文章を書く能力が高まる

 

3.広告代理店を目指す就活生にとって重要なポイント

(1)広告代理店マンに欠かせないロジカルシンキング

広告代理店や外資系企業、コンサルティグファームでは、ロジカルシンキング力が必要だとよく言われますが、それはなぜでしょうか。

 

ここでは、ロジカルシンキングの発祥に遡って、広告代理店でロジカルシンキング力が重要な理由について説明していきます。

ロジカルシンキングの発祥

そもそも、ロジカルシンキングという言葉は、米国のMBAから生まれました。

 

企業におけるマネジメント層が社員たちを上手く管理し、効率よく動かすというのが本来の目的です。

 

アメリカで発展したのは、多民族国家だったことが大きな要因といえるでしょう。

 

米国は、国土が広く、東西南北によって言語も、文化も、人種も異なります。

 

そんな、あらゆる違いをもった人々を上手く管理させる方法として、「ロジカルシンキング」はとても有効でした。

 

論理的に説明することで、人は納得し、行動するからです。

 

一方日本で、ロジカルシンキングが米国ほどの発展を見せなかったのは、民族がほぼ1種類で、言語も文化もみな近いから。

 

論理による統制を図らずとも、「なんとなく」「わかっているだろう」という認識で、これまで何の問題も無かったのが日本です。

 

②なぜ広告代理店では、ロジカルシンキング力が必要なのか

一般的に、「広告代理店」「外資系企業」「コンサルティグファーム」ではロジカルシンキング力が不可欠だと言われますが、なぜでしょうか。

 

ロジカルシンキング力が必要となるのは、「異なる文化や経験を持った人物と意思疎通を図る時」。

 

その点において、上記3つの業種には、共通していることがあります。

 

それは、「異なる業種、人種の人たちと仕事をする機会が多いこと」です。

 

外資系企業であれば、当然、国籍の違う人たちと仕事をすることの連続ですし、

 

コンサルティグファームでは、車メーカー、食品メーカー、工場、アパレルなど、クライアントによっては、ほぼ全ての業種の人とコミュニケーションを取る必要があるでしょう。

 

広告代理店でも同じことがいえます。

 

広告代理店は、基本的にクライアントのマーケティング・広告出稿を代理する仕事ですので、クライアントによっては幅広い業界・業種の人と仕事することになります。

 

プロモーションの提案時は、広告のことを知らないクライアントに分かるように、魅力的に伝わるようにプレゼンをする必要があり、

 

報告時も納得できるような説明を刷る必要があります。

 

実際のプロモーション開始や運用においては、社内の他職種の人と意思疎通を図り、プロジェクトを進行しなくてはなりません。

つまり、広告代理店では自分と異なる仕事上の知識や経験を持った様々な人たちとコミュニケーションを取るツールとしてロジカルシンキング力が必要ということです。

 

(2)ロジカルシンキング力は、後天的に育てられる

 

では、ロジカルシンキング力はどのように身に着けていければ良いのでしょうか。

 

ロジカルシンキング力は、クリエイティブ力やトーク力などよりも、より明確に後天的に身につけることができます。

 

ロジカルシンキング力を高める方法としては、日常会話で意識したり、世の中の出来事を論理的に考えてみるなど自然な形で取り組む方法は多くありますが、就職活動のように一気に高める方法としては、本でトレーニングするのが最も手っ取り早いといえます。

 

(2)「論理トレーニング101題」のおすすめポイント

ロジカルシンキングに関する本は多くありますが、トレーニングを通してロジカルシンキング力を高めるという面においては、論理トレーニング101題がおすすめです。

 

おすすめポイントは主に以下3つです。

①丁寧な解説がついている

⇒多くの論理トレーニング本では、回答がついているものの、「答えだけ」という場合が多いです。

ロジカルシンキングの問題では、回答にたどり着くまでの過程を理解することが最も重要です。

野矢先生による分かりやすい解説がついているので、読んでいく中で

 

②問題文が面白い

⇒さすが、哲学者の野矢先生だけに、問題にも哲学的な内容がふんだんに盛り込まれています。

「現代人の潜在的欲望とは?」「じゃがいもを通して性とは何かを考える」など哲学的で面白い問題文となっています。

 

他の論理的思考の本は、筆者がコンサル出身や代理店出身の場合が多く、問題文はつまらないことがほとんどです。その中でも野矢先生の文章は頭一つ抜けているといえるでしょう。

 

③基本的な会話・文章における論理的思考を網羅できる構成になっている

⇒この本の構成は、接続表現→議論の骨子→論証の技法→演繹・帰納法の使い方→批判の仕方

といった流れで、1冊を通すと基本的な会話や文章執筆に必要な内容を網羅できるように構成されています。

 

広告代理店に勤務した際のプレゼンやクライアントとのコミュニケーションで必要な項目は一通り抑えることができます。

 

4.まとめ

 

本に関する説明は、あまりできませんでしたが、広告代理店で働く上でロジカルシンキングが重要だということはお伝えできたかと思います。

 

まだ就活まで時間がある方は、日常生活の中でトレーニングするのもおすすめですが、就活直前の場合は、今回紹介した「論理トレーニング101題」で短期的に仕上げると良いでしょう。

 

みなさんが広告代理店に内定することを願っています!