広告代理店を目指す就活生におすすめの本⑥:「表現の技術」

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1.執筆者の紹介

高崎卓馬さん

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2010年、13年クリエイター・オブ・ザ・イヤー、TCC賞グランプリ、ADC賞、ACC賞など国内外の受賞多数。サントリートヨタJR東日本日本郵政三井不動産全日空などのキャンペーンを担当。著書に『表現の技術』(電通)、小説『はるかかけら』(中央公論新社)など。

(引用:電通報プロフィール)

dentsu-ho.com

2.ざっくり言うと

(1)全ての広告に必要なのは、「探してでも見たくなる」こと

(2)高崎卓馬が考える発想脳とは、多角的・違和感・シンプル・同時多発的

3.全ての広告に必要なのは、「探してでも見たくなる」こと

広告は、もちろんクライアントの目的を達成するために存在しています。

しかし、広告も映画やドラマと同じ、表現の一種です。

見る人の心に響かなければ、見てもらうことはできません。

むしろ広告は、お金を払ってみるものでも、自分が望んで見に行くものでもない分、「見ようとしなくても、見てしまう」くらいの魅力を持っていなくては、見てもらえないし、人の心を動かすことはできません。

 

故に高崎卓馬さんは、広告をつくるうえで「人のココロに触れること」を意識しているといいます。

 

人のこころは、常に動かされることを待っています。

なぜなら、お金を払って、映画を見ようとするし、感動する話には耳を傾けようとするからです。

 

これは、前回の樋口景一さんも仰っていたことですが、

「人は、感情が動かされる前にかならず驚いている」といいます。

 

要は、広告には、何らかのオドロキの要素を含める必要があり、

その結果、感動や笑い、共感などの感情に変わるということです。

 

「探してでも見たくなるようなオドロキの要素を含んだ広告」こそが優れた広告だといっています。

 

4.高崎卓馬が考える発想脳とは、右脳+左脳・違和感・シンプル・同時多発的

高崎卓馬さんが考える広告を生み出せる発想脳についても触れられています。

キーワードは「右脳+左脳」「違和感」「大きめ思考」「同時多発的」の4つです。

 

1つ目の「右脳+左脳」とは、右脳で客観的に考え、左脳で感覚的に考えるということ。

発想の起点は、ロジカルに考えるが、そのままだと受け手に作りての意図が見えてしまうため、感覚的に仕上げるということです。

 

2つ目の「違和感」とは、自分の作っているものを常に様々な視点で、疑うこと。

そもそも、これは必要なのか?」「本当にそうなのか?」といったように、自分に対して疑問を投げ掛け続けることが必要だといいます。

 

3つ目の「大きめ思考」とは、今抱えている問題を「より大きな問題にすり替えること」です。

例えば、「女性用シャンプーの向上した性能を伝える方法」で悩んでいた場合、「全ての女性を美しくしたい」という大きな問題にすり替えたうえで、広告を考えると、考えやすく、本質的な課題を解決しやすくなります。

 

4つ目の「同時多発的」とは、色んな業界の案件を同時に並行してこなすこと。

例えば、文具メーカーの案件と、不動産の案件を同時にこなすことで、「不動産の広告に文具の表現を使う」など、新たな発想が生まれることもあるといいます。

 

5.まとめ

いかがだったでしょうか。前回の樋口景一さんと重なる部分もありましたが、「広告も、エンターテインメントの一部」という認識で、広告に携わっていることが伝わったと思います。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。